「スパーズはどこを強化したの?」「新加入選手の実力は?」「なぜこの選手を獲ったの?」
こうした疑問を持っている方も多いだろう。
本記事では、この冬にトッテナムが獲得した選手について、プレースタイルや特徴をデータを用いて詳しく解説していく。
さらに、単なる選手紹介にとどまらず、現在のトッテナムが抱える課題を踏まえて、なぜその選手が必要だったのかという点にも踏み込む。
この記事を読めば、「誰を獲ったのか」だけでなく、「なぜその補強が行われたのか」「各選手がどのようなプレースタイルなのか」まで理解できる。
※本記事は新加入選手の発表に応じて、随時更新していきます。
【データ分析】2026年冬に加入したトッテナム新加入選手のプレースタイルと特徴
ソウザ
■ 基本情報
生年月日:2006年6月16日
身長:183cm
国籍:ブラジル
ポジション:左サイドバック
利き足:左
データが示すソウザのプレースタイル・強み

1対1で負けない守備の強度とボール奪取能力の高さ
Def duel%:86.3
Poss won:77.3
まずはDateMB(https://datamb.football/)を参考に、ソウザのプレースタイルや強みを見ていく。
※ブラジルリーグとプレミアリーグでは、プレー強度やプレースピードに差がある点はあらかじめご理解ください。
ソウザの大きな強みは、守備の強度とボール奪取能力の高さにある。
Def duel%とは、守備の1対1の場面でどれくらい相手に勝てているかを表す数字で、ソウザは相手選手に簡単には抜かれない対人守備の強さを持っている。体の使い方や間合いの取り方が上手く、サイドの1対1で安定して対応できるタイプだ。
また、Poss wonはタックルやパスカットなどによって実際にボールを奪った回数を示すデータである。ソウザはこの数値も高く、守備の場面で積極的にプレーに関わり、ボールを奪って次の攻撃につなげられる選手と言える。
推進力とクロス精度で攻撃にも貢献するサイドバック
Prog Carries(Carrying):78.2
Crosses cmp(Crosses):80.4
ソウザは、ボールを前に運ぶ力とクロスの正確さも優れている。
Prog Carriesとは、ドリブルでボールを前のエリアへ運んだ回数を表す指標で、ソウザは自らボールを持ち上がり、攻撃を前に進められる推進力を持っている。
また、Crosses cmp(クロス成功数)も高く、無理にボールを上げるのではなく、味方に合った正確なクロスを供給できる。
一方で、Prog passes(前向きに出すパスの数)は16.1と少ないので、パスで展開する「出し手」」というより、ドリブルでチャンスを作る「運び手」のタイプであることが分かる。
ヒートマップで見る役割の違い|ソウザとウドジェのプレーエリア比較


ソウザ(上)とウドジェ(下)のヒートマップを比較すると、ソウザのほうが前線でのプレー比重が高いことが分かる。
ソウザは自陣だけでなく、相手陣の高い位置にも赤いエリアが多く見られ、前線でボールに関わる場面が多い。これは、守備だけでなく、ボールを持った際に自ら前へ運び、攻撃に直接関与する役割を担っていることを示している。
一方でウドジェは、左サイドの中央付近にプレーエリアが集中しており、守備位置と攻撃参加のバランスを取りながら上下動するタイプであることが読み取れる。
この違いから、ウドジェが「上下動でチームを支えるサイドバック」なのに対し、ソウザは「より高い位置で積極的に関わり、攻撃に厚みを加える攻撃的なサイドバック」だと言える。
【補強分析】なぜトッテナムはソウザを獲得したのか?
その理由は、左サイドバックの層の薄さが、現在のトッテナムにとって課題の一つだからだ。
現在、左サイドバックの本職はウドジェとベン・デイビスの2人のみ。
しかしウドジェは高いパフォーマンスを見せる一方で負傷離脱が多く、フルシーズンを安定して戦い抜くのは難しい。またデイビスも30代に入り、すべての試合でフル稼働するのは現実的ではない。
ジェド・スペンスが左で起用されることもあるが、彼は右利きであり、本来は右サイドバックでのプレーが最も力を発揮できる選手だ。
こうした状況を考えると、左サイドバックは補強するべきポジションの一つと言える。
ソウザは19歳と即戦力とは言い切れない年齢だが、ウドジェもまだ23歳と若く、主力としてプレーできる。そのため、短期的な穴埋めよりも、将来を見据えた若手有望株の補強を選んだと考えれば、この獲得は理にかなっている。
ウドジェとソウザ。この2人が今後のトッテナムの左サイドを支える存在になることが期待されている。
コナーギャラガー
■ 基本情報
生年月日:2000年2月6日
身長:182cm
国籍:イングランド
ポジション:ミッドフィルダー
利き足:右
結論:コナー・ギャラガーは中盤にエネルギーをもたらすMF
2人目はアトレティコ・マドリードから加入したコナー・ギャラガーだ。
ではギャラガーは、どのようなMFなのだろうか。
結論から言えば、ギャラガーはボールを奪い、自ら前へ運び、ゴール前まで走り込むことを得意とするMFである。
ピッチを広く動き回りながら、攻守の両局面に関わり続けられる点が最大の特徴だ。
マディソンのように華麗なパスで違いを生み出すタイプではない。
しかし、豊富な運動量と高い強度、そして前進力によってチームを押し上げることができる。
ギャラガーは、中盤に勢いとエネルギーをもたらすエンジン役のMFと言えるだろう。
次の項目からは、各種データを用いて、その特徴をより詳しく見ていく。
データで徹底分析|コナー・ギャラガーの攻守の強みとプレースタイルを数値で読み解く
中盤から運び、ゴール前に飛び込む推進力

まずはFBref(https://fbref.com/en/players/c2731c10/Conor-Gallagher)のデータからコナー・ギャラガーの強み・プレースタイルを読み解いていく。
Touches (Att Pen):94
Progressive Carries:83
Progressive Passes Rec:85
コナー・ギャラガーの最大の強みは、ボールを前に運びながら、ゴール前に積極的に飛び込める点にある。
Progressive Carriesは83と高く、中盤からドリブルで前進し、攻撃を押し上げる力を持つMFだ。ただパスを回すだけでなく、自ら運んで局面を前に進められる点が特徴である。
さらに、ペナルティエリア内でのタッチ数(Touches (Att Pen))も94と非常に高い。
これはMFでありながら、FWのようにゴール前へ積極的に飛び込んでいることを示しており、カウンターやこぼれ球の場面でも得点に関与する動きを欠かさない。
加えて、Progressive Passes Recも85と高水準だ。
前向きのパスを受ける回数が多く、常に前を向いた状態でボールを受け、次の攻撃につなげられる点も強みと言える。
これらのデータから、ギャラガーは中盤から攻撃を押し上げ、最終局面にも顔を出せるMFだと言える。
中盤で流れを断ち切る高いボール奪取能力

次に、コナー・ギャラガーの守備面について見ていこう。
Interceptions:96
Tackles:75
Blocks:74
ギャラガーの守備における最大の強みは、ボール奪取能力の高さにある。
インターセプト(Interceptions)の数値は96と非常に高く、相手のパスコースを読んでボールを奪えるMFであることが分かる。
また、タックル(75)やブロック(74)の数値も高水準だ。
これは、積極的に潰しに行くだけでなく、万が一かわされた場合でも素早く戻って対応できることを示している。
これらの数値から、ギャラガーは中盤で相手の前進を食い止められ、守備でも貢献度が高いMFである。
DataMBで比較|ギャラガーはトッテナムの中盤に何をもたらすのか

では、ここからはDateMB(https://datamb.football/)を参考にして、コナー・ギャラガーとトッテナムの中盤選手を比較していく。
今回、ベンタンクール、グレイ、サールの3選手をピックアップした。この3選手と比較してギャラガーの強みを見ていく。
①ボール奪取能力(Possession Won)
前項目のFBrefデータでも示されている通り、ギャラガーのボール奪取能力(Possession Won)は、トッテナムの中盤選手の中でも際立って高い。
中盤で相手のパスや前進を止め、攻撃の流れを切れる存在であり、試合のリズムを変えられるMFであることが、今回のデータからも読み取れる。
②前方向に出したパスの成功率(Fwd Pass %)
DataMBの比較ではFwd Pass %が94.1%と非常に高く、トッテナムの中盤選手の中でも最も安定した数値を記録している。
これは、リスクの高い展開を狙うのではなく、奪ったボールを確実に前線へつなぐ判断ができていることを示しており、攻撃をスムーズに前進させる役割を担えていることが分かる。
③決定機創出(Key Passes)
Key Passesの数値を見ると、サールに匹敵する水準を記録しており、ギャラガーがゴール前でチャンスに関与できるMFであることが分かる。
高い位置まで積極的に顔を出し、こぼれ球や二次攻撃の場面でチャンスにつながるパスを供給できる点が特徴だ。
チャンスメイカー型ではないものの、ゴール前への継続的な関与によって攻撃を活性化できる存在と言える。
【補強分析】データから見るコナー・ギャラガー獲得の理由と中盤強化の狙い
最後に、なぜトッテナムはコナー・ギャラガーを獲得したのかを見ていく。
大きな要因の一つが、ベンタンクールの長期離脱だろう。
DataMBのデータからも分かる通り、ベンタンクールはボール奪取能力に優れたMFであり、彼の不在は中盤の守備強度に大きな影響を与える可能性がある。
その穴を埋める存在として、ギャラガーの獲得に動いたと考えられる。
一方で、トッテナムの中盤にはグレイやサール、パリーニャといった選手もおり、「中盤はすでに飽和しているのではないか」と感じる人もいるかもしれない。
しかし、DataMBのデータを見ると、ギャラガーは高いボール奪取能力に加え、前方向へのパス成功率や決定機創出でも貢献できるMFであることが分かる。
マディソンやクルゼフスキのように、パス精度で攻撃を組み立てる役割を担うのは難しいかもしれない。
それでも、豊富な運動量と高い強度、そして前進力によって、今のトッテナムの中盤に勢いとエネルギーを与えられる存在である。
そうした特徴を評価し、中盤を活性化させる目的でギャラガーを獲得したと考えられる。


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