ウドジェのプレースタイルとは?強み・弱みとトッテナムでの役割を徹底解説

「ウドジェって、結局どんなプレースタイルのサイドバックなのか。」

「トッテナムでどんな役割を任されているのか。」

こんな疑問をもっている人もいるはずだ。

この記事では、ウドジェのプレースタイル・強み・弱み・トッテナムでの役割までを解説する。

さらに、サイドバックを4タイプに分けたうえで、その中でウドジェがどのタイプに当てはまるのかも分析している。

この記事を読めば、ウドジェのプレースタイル、強みと弱み、そしてトッテナムでの役割が一通り理解できる内容になっている。

ウドジェの基本プロフィール

まずは、ウドジェの基本情報とこれまでのキャリアをまとめてみた。

セリエAでは主に左サイドバックや左ウィングバックとしてプレーし、「攻撃力の高い若手SB」として一気に注目を集めていた。

■ 基本情報

生年月日:2002年11月28日

身長:188cm

国籍:イタリア

ポジション:左サイドバック

利き足:左

■ クラブ経歴

・エラス・ヴェローナ(イタリア)でプロデビュー

・2021年からはウディネーゼでプレー

・2022年にトッテナムが将来性を評価して獲得

・その後、ウディネーゼにレンタル移籍してセリエAで経験を積む

・2023-24シーズンからトッテナムに正式合流

ウドジェはどのタイプ?サイドバック4タイプで見るプレースタイル分類

ここではサイドバックを4つのタイプに分け、その中でウドジェがどのタイプに当てはまるのかを見ていく。

結論から言うと、ウドジェは「ウィング型サイドバック」に該当する。

ここからは、サイドバック4タイプそれぞれの特徴と、なぜウドジェがウィング型なのかを分かりやすく解説していく。

今回、サイドバックを次の4タイプに分類した。

ウドジェのプレースタイルが分かるサイドバック4タイプ分類図。攻撃重視×フィジカルのウィング型にウドジェが位置づけられている。
サイドバック4タイプ分類図

ウィング型(攻撃重視×フィジカル)

スピードとフィジカルを武器に、サイドを縦に突破できるタイプ。

クロスを上げたり、ペナルティーエリアにも積極的に入り、ゴール前でチャンスを作る。

攻撃力が高く、ウィングバックの選手もこのタイプに当てはまる。

ストッパー型(守備重視×フィジカル)

最大の武器は1対1の守備。

スピードや体の強さを活かして相手ウィングを止める、守備特化型のサイドバック。

ゲームメーカー型(攻撃重視×テクニック)

縦パスやスルーパスでチャンスを作り出すのが役割。

ボール保持時には中盤に入り、攻撃の組み立てにも関わることができる。

センターバック型(守備重視×テクニック)

サイドバックもセンターバックもできるタイプで、3バックの時にはセンターバックとしてもプレーできるのが特徴。

足元がうまく、状況をよく見て判断できる選手だからこそ、2つのポジションをこなせる。

この4タイプに分けた場合、ウドジェは「ウィング型」に該当する。

その理由は、ウドジェに次のような強みがあるからだ。

・ボールを持ったままスピードに乗り、サイドを縦に運ぶ力がある

・ペナルティーエリア内にも積極的に入り、攻撃に深く関与できる

これらの特徴こそが、ウドジェがウィング型である最大の理由だ。

この強みについては、次の項目でさらに詳しく解説していく。

データで見るウドジェのプレースタイル|FBrefが証明する3つの強み

ここからはFBref(https://fbref.com/en/)のデータをもとに、ウドジェのプレースタイルの特徴と強みをわかりやすく解説していく。

FBrefによるウドジェのスタッツ分布図。前進ドリブル89、パス成功率81、ペナルティエリアタッチ85、タックル95、ブロック97と攻守両面で高水準を示すデータ。

ウドジェの最大の武器は「前へ運ぶ爆発力」

Progressive Carries:89
Touches (Att Pen):85

ウドジェ最大の強みは、ボールを前に運びながら一気に攻撃参加できる推進力だ。

FBrefの「Progressive Carries(前に運ぶドリブル)」は89と、サイドバックの中でもトップクラス。
これは、自陣でボールを持った瞬間にスピードに乗り、そのまま相手陣内まで運べる力があることを示している。

さらに、ペナルティーエリア内でのタッチ数も85と高水準。
これは、サイドバックでありながら、ゴール前まで入り込んでプレーしている証拠だ。

走れるだけじゃない、実はパス精度も高い

Pass Completion:81
Progressive Passes:81

ウドジェは実はパスの質もかなり高い選手だ。

FBrefのデータでは、Pass Completion(パス成功率)は81と高水準。

さらに、前方向へのパスを示す「Progressive Passes」も81と高く、縦にチャンスを作るパスも出せるサイドバックだ。

データが証明する守備力。タックル&ブロックが最上位

Tackles:95
Blocks:97

ウドジェのすごさは、守備面もトップクラスに強い点にある。

FBrefのデータでは、タックルが95、ブロックが97と、どちらも最上位クラス。

これはつまり、

相手のドリブルにしっかり食らいついて奪い切れる

シュートやクロスにも体を張って止めに行ける

ということを数字がそのまま証明している。

ウドジェの弱点・課題

ここまでウドジェの強みを見てきたが、もちろん弱点・課題もある。
ここでは、特に気になる2つの弱点・課題について整理していく。

スピード型ゆえに不安が残る「ケガ耐性」

ウドジェのシーズン別ケガ履歴一覧表。ハムストリング損傷や膝の負傷による欠場日数と欠場試合数をまとめたデータ。
ウドジェのシーズン別ケガ履歴一覧表

Transfermarkt(https://www.transfermarkt.jp/)によれば、ウドジェはここ数シーズン、ハムストリングや膝のケガに悩まされている。

特に23‐24シーズンは、ハムストリングの負傷で長期離脱を経験した。

スピードとフィジカルを武器にするプレースタイルだけに、筋肉や膝への負荷は常に懸念点と言える。

得点への関与が少ない

ウドジェの弱点が分かるFBrefスタッツ分布図。ゴール・アシスト関連指標(xAG、npxG+xAG)が低く、決定力に課題があることを示している。

ウドジェのもう一つの課題は、ゴールやアシストといった「直接的な結果」に結びつきにくい点にある。

FBrefのデータを見ると、

・xAG(アシストになりそうなパス)

・npxG+xAG(PKを除いた得点力+アシスト力)

これらの数値はいずれも高いとは言えない水準にとどまっている。

ウドジェはチャンスの一歩手前まで運ぶ役割には優れるが、最後のパスやシュートなど「結果に直結するプレー」には、まだ伸びしろがある選手と言える。

ウドジェはトッテナムで何を任されているのか?SB陣から見る戦術的役割

ここでは、ウドジェがトッテナムの中でどんな役割を担っているのかを、ほかのサイドバックとの違いも交えながら見ていく。

現在、トッテナムに所属する主なサイドバックは次の4人だ。

・ペドロ・ポロ

・ジェド・スペンス

・ウドジェ

・ベン・デイビス

先ほど紹介したサイドバック4タイプに当てはめると、それぞれの役割の違いがより分かりやすくなる。

サイドバック4タイプ分類図。ポロはゲームメーカー型、スペンスはウィング型、ベン・デイビスはセンターバック型、ウドジェはウィング型に該当。
サイドバック4タイプ分類図

ペドロ・ポロ

ペドロ・ポロの特徴はパス精度の高さである。

2024‐25シーズン、サイドバックでありながら、リーグ戦で6アシストを記録。

彼のパスを起点にチャンスを作るシーンも多くあり、ペドロ・ポロは「ゲームメーカー型」に該当するだろう。

ジェド・スペンス

ジェド・スペンスはノッティンガム時代にウィングバックとしてプレーしており、身体能力を活かしたドリブル突破と加速力が強みである。

タイプはウドジェと同じく「ウィング型」に当てはまる。

ベン・デイビス

ベン・デイビスの本職は左サイドバックだが、コンテ時代には3バックのセンターバックとしても起用されてきた。

サイドバックとセンターバックの両方をこなせる選手である。

スタメンでの出場は多くないものの、複数ポジションを任せられる選手がベンチにいることは、チームにとって安心材料だ。

こうした特徴から、ベン・デイビスは「センターバック型」に分類するのが最もしっくりくる。

ウドジェの役割

ウドジェのトッテナムでの役割は、左サイドからチームを前に進める「推進力の担当」であろう。

彼はウィング型としてスピードとドリブルで縦に突破し、相手陣内へ一気に運ぶ役割を担う。

そして、相手ペナルティーにも入って攻撃に厚みを持たせることができる。

このように、チームを押し上げ、攻撃の土台を作る役割がウドジェの仕事だ。

まとめ

ウドジェは、スピードとフィジカルを武器に、左サイドから一気にチームを押し上げる「ウィング型サイドバック」だ。

FBrefのデータが示す通り、ボールを前に運ぶ力、攻撃エリアへの侵入回数、そしてタックルやブロックの数値まで、攻守両面でトップクラスの能力を持つ選手である。

また、トッテナムにおいてウドジェは得点に絡むこと以上に、左サイドから推進力を生み出し、チーム全体を前に進める役割を担っている。

一方で、ケガの多さや、ゴール・アシストといった直接的な数字が伸びにくい点は今後の課題と言える。

今後、もし得点やアシストといった結果がついてくれば、プレミアリーグ屈指の攻撃型サイドバックへと進化する可能性を十分に秘めた存在と言えるだろう。

コメント