【選手解説】ソン・フンミンの経歴と凄さ:アジア最高のサッカー選手の物語

ソン・フンミンの経歴と凄さ

プレミアリーグのトッテナムに所属しているソン・フンミンは、2021-2022シーズンにアジア人初のプレミアリーグ得点王を獲得した。

また、現在トッテナムで400試合以上出場し、チームにとって必要不可欠な存在となっている。

まさに、アジア人最高のサッカー選手と言っても過言はないだろう。

今回の記事では、ソン・フンミンの経歴と凄さについて解説する。

ソン・フンミンの成績

まずはソン・フンミンの成績を振り返る。

トッテナムに移籍して1年目はプレミアリーグに適応するのに苦戦し、8ゴールでシーズンを終えた。

しかし、2年目からは2桁得点が当たり前となり、チームの得点源として活躍し続ける。

不調と言われた22-23シーズンも、終わってみれば14ゴールを決めている。

また、ゴールだけでなく、アシスト数も二桁を記録するシーズンが複数あり、ゴールに多く関与していることが上の図から分かる。

さらに、ソン・フンミンは怪我で欠場することがほとんどなく、毎シーズン40試合以上出場し続けている。

この出場数からも、トッテナムにとって欠かせない選手であることが分かるだろう。

ソン・フンミンの凄さと特徴

両足から打てる精度の高いシュート

ソン・フンミンは右利きだが、左足でも高い精度でシュートを放つことができる。

2021/22シーズンには23ゴールを挙げたが、そのうち右足からの得点が11、左足からの得点が12だった。

左足でも正確なシュートを打つことができるようになったのは、幼い頃から意識的に左足を使うようにしていたからだ。

ソン・フンミンは子供の頃から、ソックスやシューズを左足から履くようにしていた。

慣れない左足を普段から使うことで、両足で精度の高いシュートが打つ技術を身につけたと言われている。

さらに、父親からは厳しいトレーニングを受けていた。

ハンブルガーSV時代には、夏の炎天下で5週間、一日も休むことなく毎日1000回(右足500回、左足500回)のシュートを打つように指導されたというエビソードがある。

爆発的なスピードと、ドリブル能力

ソン・フンミンは爆発的なスピードと優れたドリブル能力を持っている。

この能力を活かして相手ディフェンスを打ち破っていく。

サイドからのカットインで相手ディフェンダーをかわし、ゴールを狙うのはよく見られるシーンである。

2018年11月のチェルシー戦と2019年12月のバーンリー戦でのゴールは、彼のワールドクラスのスピードとドリブル能力を証明しただろう。

チェルシー戦のゴール

ソン・フンミンのゴールパフォーマンスについて

ソン・フンミンはゴールを決めた後、カメラポーズをしている。

このパフォーマンスには、「ゴールを思い出として残す」という意味が込められている。

ソン・フンミンは以前インタビューでカメラポーズについて、「ゴールは素晴らしい思い出だから、写真として心の中に残しておきたいんだ」と説明していた。

彼にとって、その瞬間を写真に刻むことは、大切な思い出を永遠に心に留めるための方法なのだろう。

そして、彼の心の中のアルバムには、チームメイトやサポーターの笑顔が溢れている。

ソン・フンミンの経歴

ソン・フンミンの経歴(2024/5/12までのデータ)

幼少期~ブンデスリーガ時代

ソン・フンミンは意外なことに高校入学までは、サッカーチームに所属していなかった。

その代わりに、父親である元韓国代表選手ソン・ウンジョンの指導の下、技術を磨いていた。

高校時代には、優秀選手海外留学プログラムを通じて、ハンブルガーSVのU-17に留学。

彼の才能はすぐに認められ、2010年にハンブルガーSVとプロ契約を結んだ。

同年10月にソン・フンミンはケルン戦でブンデスリーガデビューを飾り、見事ゴールを決めた。

ハンブルガーSVでの3年間で78試合に出場して20得点を挙げ、2013年6月、新たなチャレンジを求め、バイヤー・レヴァークーゼンに移籍。

2シーズン連続でCL出場権を獲得するのに貢献した。

そして、ソン・フンミンは2015年にトッテナムと契約を結び、活躍の場をロンドンに移す。

トッテナム時代

ソン・フンミンは2015年9月のサンダーランド戦でデビューし、ヨーロッパリーグのカラバグ戦でトッテナムでの初得点を記録して2得点を挙げた。

さらに、9月のクリスタルパレス戦でプレミアリーグ初得点を決め、2015/16シーズンは40試合に出場して8ゴールを記録した。

2016/17シーズンは47試合に出場して21ゴールを決め、トッテナムにとって欠かせない選手へと成長する。

2017年11月、プレミアリーグ史上アジア人最多得点記録を樹立。同年3月のFAカップ準々決勝では、トッテナムで初のハットトリックを達成した。

2017年11月、ホームでのクリスタルパレス戦でのゴールで、プレミアリーグ史上最多得点のアジア人選手となり、当時の通算得点数を20に伸ばした。

2018/19シーズン、ソン・フンミンは2度目の20ゴールを達成。その中でも特筆すべきは、2018年11月に行われたホームでのチェルシー戦でのゴールだろう。

このゴールはプレミアリーグの「EA SPORTS Goal of the Month」に選ばれ、後には「Goal of the Season」にも選出された。

さらに、2019年4月3日のクリスタルパレス戦では、先制点を挙げ、新スタジアムでの初ゴールを記録。

そして、そのわずか6日後のチャンピオンズリーグ準々決勝のマンチェスター・シティ戦でも、新スタジアムでの欧州初ゴールを決めるという快挙を達成した。

2019/20シーズンのハイライトは、バーンリー戦でのゴールだろう。

その試合では、ソン・フンミンがピッチを縦横無尽に駆け回り、素晴らしいゴールを決めた。

このプレーが評価され、2020年12月にはFIFAプスカス賞を受賞。

バーンリー戦のゴール

そして、2020/21シーズンも、ソン・フンミンにとって忘れられないものとなった。

全てのコンペティションで51試合に出場し、22ゴールを挙げ、再び20ゴールの大台に乗る。

プレミアリーグでは37試合に出場して17ゴールを決め、ハリー・ケインとのコンビで1シーズン14ゴールというリーグ記録を樹立した。

2021/22シーズン中、ソン・フンミンはクラブで9人目となる欧州50試合出場を達成。

プレミアリーグでの出場試合数は200試合を超え、クラブ全体では300試合を超えた。

このシーズン、23ゴールでプレミアリーグのゴールデンブーツを獲得し、リヴァプールのモハメド・サラーとトロフィーを分け合った。

また、ハリー・ケインとのプレミアリーグでのゴールコンビネーションの記録(37)を更新するなど、さらなる偉業を成し遂げた。

そして2023年8月、ソン・フンミンはチームのキャプテンに任命され、勝利のためにチームメイトを鼓舞し、先頭に立ってチームを引っ張っている。

ソン・フンミンの韓国代表経歴

ソン・フンミンは2014年のブラジルワールドカップで、韓国代表としてアルジェリア相手にゴールを決めた。

さらに、FIFAワールドカップ2018の出場権獲得にも貢献し、ロシアワールドカップでは2得点を挙げ、2022年のカタール大会でもプレーした。

また、2018年8月から9月初旬にかけてインドネシアで開催されたアジア大会では、韓国代表のキャプテンを務めて優勝に貢献。

この優勝により、兵役期間が約2年間から約3週間に大幅に短縮された。

2020年3月末に新型コロナウイルス感染拡大の影響でプレミアリーグが中断された際、韓国に帰国してその期間を利用し、兵役活動に参加して無事に兵役を終えた。

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