ファビオ・パラティチについて

2021年にスパーズの補強責任者に就任したファビオ・パラティチ。

今回は彼の経歴や獲得した選手、特徴をまとめてみた。

(ゴール、アシスト数はhttps://www.transfermarkt.jp/を参照)

ファビオ・パラティチ

経歴

パラティチはピアチェンツァで選手としてのキャリアをスタートさせ、14年間セリエB,セリエCのクラブでプレーした。

その後、2004年にサンプドリアのスカウティングマネージャーに就任。

そして2010年の夏にテクニカル・エリア・コーディネーターとしてユベントスに加入する。

ユベントスでの11年間で19のトロフィーを獲得した。

獲得した選手

クリスティアーノ・ロナウド

これは「世紀の取引」とも呼ばれている。

ユベントスは2018年、レアル・マドリーから世界最高峰の選手の一人であるクリスティアーノ・ロナウドを9900万ポンドで獲得。

パラティチは代理人のジョルジ・メンデスとの話し合いを経て、この巨大な取引を成立させた。

ロナウドの獲得に疑問を持つ人もいるかもしれないが、彼のゴール率は今でも世界トップクラスである。

ユベントスで134試合に出場し101ゴールを挙げ、セリエA優勝2回、コッパ・イタリア優勝1回を達成している。

アンドレア・バルザーリ

パラティチは、2011年1月にヴォルフスブルクからわずか60万ユーロでバルザーリを獲得した。

バルザーリは、ジョルジョ・キエッリーニ、レオナルド・ボヌッチとともに3バックを形成し、ユベントスのバックラインとして不可欠な存在となった。

パラティチはユベントスでの退団会見で「もし私が一人選ぶとしたら、バルザーリだ」と語っていた。

「彼は長年にわたって私たちと共に過ごし、多くの人から過小評価されていた。彼がどれだけ重要で、このクラブに何を与えてくれたかは、誰もが知っていることだ」と述べている。

アルトゥーロ・ビダル

パラティチは2020年に「私はアルトゥーロ・ビダルがU-17の時から彼のことを追っていた」と語っている。

2011年、ユベントスはレバークーゼンから24歳のビダルをわずか900万ポンドで獲得。

ビダルはチームの大黒柱として活躍することになる。

在籍4年間で167試合に出場して47ゴール24アシストを記録し、4度のリーグ優勝を経験する。

また2013年にはクラブ年間最優秀選手賞を受賞した。

特徴

フリートランスファーの達人

パラティチはラビオやケディラ、ラムジー、コマン、ダニエウ・アウヴェスなどをフリーで獲得した。

特に注目すべきなのはポール・ポグバとアンドレア・ピルロの獲得だろう。

ポール・ポグバ

2012年、当時19歳だったポグバが契約満了に伴いマンチェスター・ユナイテッドを退団する際、パラティチはわずかな補償金で獲得することに成功する。

ポグバは177試合の出場で34ゴール39アシストを記録。

セリエAで4連覇、コッパ・イタリアで2度の優勝を果たし、世界最高のミッドフィルダーとしての地位を確立した。

その後、ユベントスは2016年に当時の世界記録である8900万ポンドでポグバをユナイテッドに売却し、巨額の利益を得ることができた。

アンドレア・ピルロ

史上最高のMFとの契約は、パラティチの名采配の1つだろう。

32歳のピルロは、ACミランから余剰人員と見なされ、2011年に退団した。

もう終わった選手と思った人もいただろうが、パラティチは彼に3年契約を与えた。

ピルロはその後ユベントスで162試合に出場し、セリエ4連覇に貢献する。

また、2015年にはチャンピオンズリーグ決勝でプレーした。

若手の発掘にも注力

パラティチは下位のクラブから若い才能を発掘して連れてくることにも長けていた。

例えば、ディバラやキエーザ、クルゼフスキの獲得である。

パウロ・ディバラ

ユベントスは2015年にディバラとの契約を完了させ、セリエAでわずか21ゴールしか決めていない選手に2340万ポンドを支払うことに同意した。

「ディバラは私のキャリアの中で最もリスクの高い契約の一つであり、彼は非常に若かった」と後にパラティチは語っている。

しかし、このアルゼンチン人選手は293試合に出場し、115ゴールを記録。

ディバラは、9シーズン連続でセリエAを制覇したチームの重要なメンバーとして、クラブの歴史にその名を刻んだ。

パラティチは24時間働いている?

「彼は信じられないほどの働き者だと言えるでしょう」。

そのように語るのは、2012年から2017年までユベントスのスカウト部長としてパラティチのそばで働いていたハビエル・リバルタだ。

「彼がいつ寝ているのか分からない。1日24時間働いていると言っても過言ではない。」

「ファビオは夜中でも、コパ・リベルタドーレスからコパ・アメリカまで、あらゆる試合を見る。彼はどんな試合でも見るんです。普通、スポーツディレクターやフットボールディレクターになると、若い選手をチェックする時間はない。しかし彼は常に試合を見続け、常に代理人に電話をかけ、世界中のすべての選手について最新情報を得ているんです。」

携帯電話を持っていない姿を見ることはほとんどなく、携帯電話を操作しながら、あるいはイヤフォンをして試合中でも誰かとおしゃべりをしながら、彼はいつも働いている。

(この姿は多くのスパーズファンが見たことあるだろう。)

クラブを退団。そしてコンサルタントとして活動

パラティチはロメロやクルゼフスキ、ベンタンクールなどを獲得し、チーム強化に取り組んでいたが、シーズン途中でクラブを去ることになる。

ユベントスの不正会計問題に関与していたという報道が出たからだ。

パラティチはFIFAによってイタリア国外での活動も制限されることになり、トッテナムを退団することになった。

しかし処分が軽減されたことにより、トッテナムのコンサルタントとして活動することになった。

2023年の夏の移籍市場では、マディソンやビカーリオ、ファン・デ・フェンの獲得に関わっていたと言われている。

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